luica_diary

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運動会の思い出|赤いリボンが欲しかった話

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はてなブログの「今週のお題」より、遅れてしまいましたが「運動会」についての話。

小学校の運動会といえばまず徒競走。
徒競走のレースって、走力が同程度の人で固まるように組まれているんだと思うんだけど、私は特段速くもなければ物凄く遅いというわけでもない、いわゆる中間層に位置していた。
レースを組む担任の先生は、きっとこの中間層のメンバーをどうするかって悩みどころだったと思う。どっちつかずで微妙なところだから。
しかし走る本人たちにとっては切実な問題なのである。一緒に走るメンバーによって自分の順位は大きく変わるからだ。

私の順位といえば、常に2位か3位だった。盛大に最下位であれば諦めも付くが、やはりどっちつかずなのだった。
けれど私は1位になりたかった。1位の人がもらえる、赤い「1」のリボンがどうしても欲しかった。

だから毎年全力で走った。どうせ1位になれないことはそれまでの練習で分かりきっているのに、それでも本番で何かが変わるかもしれないと思った。
結局1位は取れなくて、毎年本気で落ち込んでいた。次こそは、と来年度に向けて闘志を燃やしていた。

小学校6年間、私は結局一度も運動会の徒競走で1位を取ることはできなかった。
それでも、毎年毎年全力で走り続けていた。

今思うと、あのときの徒競走にかける「本気」は、かけがえのないものだったんじゃないかと思う。
大人になった今では、自分の立ち位置が悲しいくらいに分かっているし、自分の限界も知っている。どれほど頑張ったところで実力以上の結果は出せない。
そういう「諦め」を知ったということが、大人になったということなのかもしれないけど。

それでも時々、徒競走でがむしゃらに走ったあの日のことを思い出す。
どれだけ頑張ったところで1位にはなれなくても。1位の赤いリボンがもらえなくて、黄色だったか青だったかのリボンを情けなく付けることになっても。
毎年「今年こそは」と思って走り抜けた、愚直すぎる小学生の自分を、思い出す。

まっすぐにいきたい。